Menicon Life Science メニコン・ライフサイエンスenglishメニコン ライフサイエンス部

シェルパ

培養細胞伸展技術について

弊社が販売する培養細胞伸展システム『ShellPa』および『ShellPa Pro』は、岡山大学大学院・医歯薬学総合研究科・システム生理学 成瀬恵治教授の監修のもとで開発されました。
成瀬教授は2003年に大学発ベンチャー・ストレックス社を設立し、組織・細胞へメカニカルストレスを与えながら培養できるシステムの研究開発に取り組まれています。ストレックス社設立前を含む、20年以上の研究開発実績は、現在、メカノバイオロジーに基づく研究用資材・医療器具等の研究開発を行うストレックスインターナショナル社(Strex International, LLC)へ引き継がれ、その技術は弊社製品へも活用されています。

培養細胞伸展システムとは?

歩いたり、走ったりするときの筋肉の動き、心臓の拍動や、笑った時の皮膚の伸び縮みなど、私たちの体は日常の生活の中で常に機械的な刺激(メカニカルストレス)を受けています。これらのメカニカルストレスは細胞の増殖や分化、組織の再生などに深くかかわっており、また、骨粗しょう症やガンの転移、皮膚疾患や筋肉変性などの疾病の過程では、組織構造の崩壊と共にメカニカルストレスの伝達が十分となっていることが確認されています。
培養細胞伸展システムは生体内の動的環境を再現することを目的として開発された細胞培養システムです。
このシステムは、コンプレッサーを用いた空気圧を駆動源とし、細胞にメカニカルストレスを加えながら細胞を培養することで、従来の静置培養では得られなかった細胞の変化・応答を確認することができます。
また、簡単な操作で伸展周期や伸展率(伸展パターン)をコントロールでき、細胞応答の比較、分化・増殖など目的ごとのパターン最適化によって、生体内における細胞の挙動や組織再生、疾病のメカニズムなどの理解が深まることが期待されます。シリコーン樹脂製のストレッチチャンバーにはフィブロネクチン、コラーゲン等にてコーティング処理を施すことで、各種接着性細胞にご使用頂けます。

システム特長

伸展率
  • 軽量・コンパクトに設計され、インキュベーター内への設置が容易
  • 伸展周期:1~120回/分の設定
  • 伸展率:2、4、5、6、8、10、12、15、20%
  • 同時に6個のストレッチチャンバーによる伸展が可能
  • ストレッチチャンバー装着部は脱着可能
  • 累計培養時間の表示
  • タイマー機能付
    伸展-静止時間とその繰り返し回数を設定

周期パターン

周期パターン

シェルパの操作方法

予め、使用する細胞をチャンパーに播種・培養します
伸展率をきめます(2,4,5,6,8,10,12,15,20%)
チャンバーホルダーにチャンバーを取り付けます
チャンバーホルダーを本体に設置します
コントローラーのダイヤルで伸展周期をします
スタート/ストップボタンを押し伸展を開始します

ストレッチチャンバー

イラスト図
  • 高い伸展性・復元力
  • 素材:PDMS (polydimethylsiloxane)
  • 極薄(400μm)で透明な底面を通して光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡による観察
  • ディスポーザブル

※培養前にフィブロネクチン、コラーゲン等にてコーティング処理が必要です。

シェルパ


システム構成

シェルパ
  • ①本体・コントローラー
  • ②ストレッチチャンバー
  • ③コンプレッサー
    (JUN AIR社 型番:3-4MC)※推奨

シェルパ


>>コンプレッサーのメンテナンス動画はこちら

「シェルパ」の取扱説明書、文献、商品パンフレットはこちらからダウンロードしてください。
 ユーザーズ・ガイド 文献 商品パンフレット FAQ